鑑賞日:2009年 1月29日 |
会 場:竹久夢二美術館 |
特に目的もなく、散歩の途中でふらっと立寄りました。
夢二と同じ年代に生きた画家の作品が数多く展示されていました。その中で気に入った画家が一人。小林かいち。
かいちの作品は派手さはないけれど、シンプルで洗練されていて綺麗。描かれている女性が美しい。グッズ展開もできそうな素敵なものばかり。商業デザインとして非常に優れていると思います。夢二よりも好み! 今後、注目していこうと思いました。
この翌月に行った『麗しき日本絵葉書展』では小林かいちの作品が多数取り上げられていて、かいちを目的に見に行っています。
鑑賞日:2009年 2月 1日 |
会 場:東京国立博物館 表慶館 |
本展は慶応義塾創立150周年記念の展示会です。慶應義塾大学は幕末の蘭学塾から始まり、150年になるそうです。福澤諭吉が23歳の時に開塾したというから、かなりのキレものだったことがわかります。
福澤諭吉ゆかりの品が展示されていました。福澤諭吉は若い頃から教育者だったのですね。蘭学塾を開塾する前は自身が猛勉強しています。そして、頭がいいだけでなく家庭人でもありました。洒落たベビーカーが残されています。また、人望も厚かったようで、交友関係も広いです。
本展のような展示会を慶應大学関連の施設ではなく、国立博物館で開催されたことについて、大学関係者は誇りに思うでしょうね。
実は本展は表慶館に入りたくて行ってきたのです。
浅田次郎さんの小説『天切り松 闇がたり』に登場する英治が天切りする設定になっている表慶館。どんな建物なのか興味がありました。
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表慶館は皇太子(後の大正天皇)のご成婚に慶賀を表し、片山東熊が設計したネオ・バロックの美しい洋館。グリーンが美しいドーム天井の内側には油絵の具で模様が描かれているようです。階段の曲線はため息が出るほどに美しい。玄関にいるライオンは三越のライオンよりも古いとのこと。建物は昭和53年に重要文化財に指定されています。
(片山東熊は迎賓館赤坂離宮も設計しています。ちなみに東京国立博物館は渡辺仁の設計です。)
鑑賞日:2009年 2月 3日 |
会 場:切手の博物館 |
本展は1月29日、竹久夢二美術館鑑賞時に知りました。小林かいちの作品を見たくて行ってきました。
会場の切手の博物館へは初めて行きました。子供の頃によく行った大手町の逓信総合博物館の大人バージョンといった印象。展示会場はビルの一室に展示物を並べただけの簡素な印象を受けましたが、展示物はとても素敵なものばかりでした。
本展の展示物はすべて生田誠さんのコレクション。デザインは女性が好む可愛らしいものばかり。デザインは時代を感じるものの古臭くなく、洗練されています。決して大きくないはがきのサイズに、女性の気を惹く画を入れ込む画家やデザイナーの腕の競い合い。キラッと光るデザインに溢れていました。
小林かいちの作品は素晴らしく、しばらく離れたくなかったです。
鑑賞日:2009年 2月27日 |
会 場:東京国立新美術館 |
アートの世界には、絵画において自身の技法を確立しただけでなく、商品のデザインを請け負ったり、後輩の育成指導をしたりと、時代が注目し、創作が絵画の枠を飛び越えて文化にしてしまう稀代の天才がいます。日本人では葛飾北斎がそうですが、加山又造もその一人です。(そして中原淳一も!)
加山又造を初めて見たのは、1984年日本橋三越の『加山又造 天井画展』でした。子供心に大きく感動した事を覚えています。その後、数年もの長い間私の部屋に飾っていたポストカードは本展のチケットの『雪』です。この絵は、確か『杉山寧展』を近代美術館で見た時に、常設展で展示されていた中にあったと記憶しています。本展のエントランスには『雪』の他『月』『花』もドドーンと展示されていて、エントランスから興奮してしまいました。劇的な再会でした。
加山又造の作品はダイナミックで、絵画の知識などない私にも圧倒的な力強さを見せつけます。
しかし、ダイナミックで大きな作品だけでなく、繊細な美しい作品もあり、新たな発見もたくさんありました。特に『月と秋草』には、ダイナミックなだけでなく、小さな生命を慈しむ加山さんの感性に素直に驚きました。きっとこの方はお優しく、魅力的な方だったのでしょうね。
裸婦像も綺麗でした。猫は毛並みがふんわりとして撫でたくなります。
そして、私のイメージ『加山又造=龍』、龍の作品も数点ありました。出口に近い最後の展示物の龍が私に向かって赤い目をパチッとウィンクしたようでしたよ!
これまでたくさんの美術展を見てきた私。久しぶりに「ほしいな」と叶わぬ思いを抱いてしまいました。今回の作品展で加山又造を見尽くしたわけではありませんが見に行って本当によかったと思っています。
鑑賞日:2009年 3月29日 |
会 場:朝倉彫塑館 |
谷中にある朝倉彫塑館に行ってきました。当時感動したらしく、メモが残っているので、当時書き残したメモを掲載します。
【当時のメモ】
谷中の朝倉彫塑館に行ってきた。朝倉彫塑館は朝倉文夫の住まい兼アトリエだった建物で氏の残した作品を展示する博物館になっている。鉄筋コンクリートと数寄屋作りが調和した興味深い作りだ。
私は三階の和室が大好き。なんと言うか、静のパワーを感じる。この家は住人を守ってきたんだなって思う。この部屋には、住んだことがないのに『守られてる』感があるのが不思議だ。展示品に手を触れてはいけないが、屋上の手すり部分のタイルや階段の手すりに触れ、朝倉氏の息づかいに触れる気がした。
4月1日から修復工事のため4年間休館になるという。増改築を繰り返し現在の姿になったのは昭和10年ということだ。傷みもはげしいことだろう。できるだけ現在の姿を残し見えない部分に耐震などの工事をするという。展示品の数や大きさ、周辺の住宅事情を考えると大掛かりな工事になってしまうのはいたしかたないと思う。
鑑賞日:2009年 4/18〜6/21 |
会 場:江戸東京博物館 |
はっきりと覚えていませんが『鉄腕アトム』と『ブラックジャック』のアニメが同じような時期に放送されていたと思います。当時、子供達と一緒に見ていたので、本展を見せようと思い、行ってきました。
手塚治虫の直筆の原稿が多数展示されていました。どの作品も線は太くコマ割りはシンプルで昭和を感じさせますが、ストーリーは生と死や、未来を見据えたものばかりで時代のズレを感じません。医者でもあった手塚治虫は哲学者でもあったのでしょう。私は手塚作品はどれもアニメでしか見た事がないのですが、漫画も読んでみたいとこの時思いました。
驚くのが『PLUTO』という作品。漫画家の浦沢直樹さんがアトムをリメイクしたそうです。恐らく『鉄腕アトム』内のエピソードの一つなんでしょうが、手塚氏ではない人が作品に介入するということは、遺族の懐の深さと、浦沢さんの情熱と技術が高く評価されたのでしょうね。素直に両者を凄い!と思いました。
医者としての氏を垣間見る展示物には医師免許がありました。
火の鳥の影が床に写し出される演出があり、飛んでくる火の鳥の影を追って、我が子たちは遊んでいました。
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2019年、りんかい線の国際展示場駅に手塚治虫キャラが大行進するレリーフ Characters on Parade が登場しました! レリーフは陶器で出来ていて、ツルツルのピカピカ。可愛らしいキャラクターたちを撫でながらワタクシ、テンションアップ↗ 手塚ファンは絶対に観に行くべきです! 超オススメ!
鑑賞日:2009年 5/14〜 5/26 |
会 場:現代HEIGHTS |
佐久間正さん、山本裕子さんの展覧会。
会場はカフェの奥にある小さなスペースとカフェ横のさらに小さいスペース。北沢という土地柄もあり、若いアーティストの感性がぶつかり合うような独特の雰囲気が感じられる場所でした。
佐久間正さんの作品は赤や朱色に黄色を合わせる色使いで、自己主張が激しいです。小さなスペースにたくさんの作品が空気を変えてしまうようなオーラを出しながら展示してありました。
打って変わって山本裕子さんは優しく穏やかな作品。布地を使った作品ですがパッチワークではありません。布を使って表現されていたものは宇宙でしょうか? こんな作品は初めて見ました。とても素敵でした。
鑑賞日:2009年 7/18〜9/27 |
会 場:幕張メッセ |
2005年、国立科学博物館で行われた『恐竜博』に引き続き、子供達を連れて行ってきました。
広い会場に大きな恐竜が並んでいました。衝撃だったのは、ブルーの毛並みの恐竜がいたこと。恐竜は爬虫類のような皮膚、象のような皮膚を勝手に想像していたので、綺麗な毛並みのレプリカにはほんとうに驚きました。本当にこんな綺麗な毛並みだったのか、鮮やかなブルーだったのか、確かめるすべはありませんが、大変興味深い展示でした。
子ども達は化石発掘体験を楽しんでいました。また、キャラクターデザインが可愛らしかったです。
鑑賞日:2009年 8月22日 |
会 場:東京ビッグサイト |
お台場に実物大のガンダムが展示されて話題になっていた頃だったと思います。
本展で何が展示されていたのか全く覚えていません。ただ、面白い企画があった事だけ覚えています。
『ザビ家の肖像 ジーク・ジオン』ザビ家のキャラクターの声優さんが集まり、名場面を演じていました。会場内がものすごく盛り上がっていたと思います。
出演声優
鑑賞日:2009年 9月 4日 |
会 場:ラフォーレ原宿 |
私が唯一好きな日本のロックバンドはRCサクセションだけで、聴きはじめの頃は繰り返し聴き込んでいました。ライブには2度行った事があり、最後のライブとなった日比谷野音でのパンフレットが STONES の Some Girls のパロディでとても愉快でした。
キヨシローはこの年の5月に亡くなりました。平均寿命が世界一だとも言われるこの日本で、事故でもないのに還暦前に亡くなるなんて信じられない! 私の父も同じような時期に亡くなったことも重なり、亡くなった直後よりもじわじわと寂しさが襲ってきました。
本展はキヨシローの絵やレコードジャケット、衣装、写真、ファンクラブの会報などキヨシローの軌跡を追う展示会でした。キヨシローが絵を描いていた事は知っていましたが、これほど描きためていたとは思いませんでした。ただ、晩年の闘病生活中の自画像は直視するには辛くなってしまうほどリアルでした。
ミック・ジャガーとの2ショット写真がありました。ミックの横には忌野清志郎ではなく、素の栗原清志がいたように見えました。
そんな顔と対照的な展示物が衣装でした。カラフルなキャンディのような衣装が並びます。忌野清志郎になる戦闘服だったのでしょうか。
ビデオを流しているブースがあり、懐かしくて3クールほど見てしまいました。小柄ですがパワーのかたまりです。
上の写真はラフォーレ原宿の入り口です。横尾忠則氏による作品です。
鑑賞日:2009年10月 1日 |
会 場:東京都現代美術館 |
子ども達を連れて行ってきました。
メアリー・ブレアは初期のディズニー映画やテーマパークにあるイッツ・ア・スモールワールドのデザインを担当しました。ウォルト・ディズニーの絶大な信頼を得たスタッフの1人だったようです。
メアリー・ブレアの作品は色使いが綺麗で、キャラクターはみんなかわいらしい。母の目で見る子ども達の姿なのかもしれません。いわさきちひろとは違う画風ですが、同じような優しさを感じました。
ディズニーは、一度籍を離れた彼女をイッツ・ア・スモールワールドのプロジェクトのために呼び戻します。素晴らしいデザインを残したメアリーのおかげで、人気のアトラクションになりました。
館内は撮影禁止でしたが、出口に撮影ポイントがあり、子ども達が遊べるようなブロックの遊具などがありました。ここで子ども達は大はしゃぎ。続くグッズ売り場でも大興奮。楽しい展覧会でした。
それにしてもディズニーはエンターテインメントの世界では貪欲です。そのプロ根性が世界中の人々を楽しませてくれています。ピクサーやジブリを傘下にする時も、食いつぶすことなく囲い込むディズニーの頭の良さを感じます。(ピクサーやジブリ側にクレバーな人がいたのも事実ですが)
鑑賞日:2009年10月13日 |
会 場:現代HEIGHTS |
5月に見た『2 EXHIBITION』の会場、現代HEIGHTSが10周年で、その記念の展示会です。
過去にこちらで作品展をされたたくさんの芸術家達が作品を持ち寄った展示会。平面作品だけでなく立体の作品もあり、バラエティに富んだ作品がたくさんあり、とても楽しかったです。
どなたの作品かわかりませんが、リボンを並べたシンプルだけどハートフルな作品が気に入りました。ラッピングについてくるリボンって見落としがちだけど、アートだと思います。
小さなお店にたくさんの作品があふれていました。ここは展示会だけでなく音楽のライブで使われることもあるのでしょうね。大人のお洒落な遊び場といった感じです。