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劇場版 Doctor X FINAL

 《 STORY 》
未知子(米倉涼子)が呼び戻された東帝大学病院では、蛭間院長(西田敏行)に成り変わり神津比呂人(染谷将太)が病院長になっていた。神津比呂人は未知子と共に入ってきた神原晶(岸部一徳)の名刺と姿を見て顔色を変える。
鑑賞日:2025年 1月29日
映画館:TOHOシネマズ 日比谷

劇場版 Doctor X

テレビシリーズを時々見ていました。本作は西田敏行さん最後の映画出演作になったので、その勇姿を見てきました。

足掛け12年続いたTVドラマが本作で完結しました。ちょっとヘビーな内容でしたがラストに救いもあり、最後までスリリングで面白かったです。

本作は未知子ではなく晶さんが主役と言っていいでしょう。晶さんの、外科医としての技術と精神が美智子に受け継がれていることが描かれていました。そして岸部一徳さんの演技が素晴らしかった。(あー、この人凄い俳優だなと感動)

西田敏行さんは、声に少し力がないとは思いましたが、やはり相変わらずの蛭間院長でした。西田敏行さん、唯一無二の俳優です。

また、私が大好きな伊東四郎さんも出演されていました。

エンドロールが流れる中、映し出されていた映像は映画とドラマの名シーン。TVドラマに出演された俳優陣(北野武さん等)が映し出されました。映画に出演されていない俳優さんへもリスペクトが見られ、スタッフの『ドクター X』への愛情を感じました。

上映後のスクリーンに西田敏行さん追悼の文が映し出されました。そこは英語じゃなくて日本語の方が良かったんじゃないかな。


HOKUSAI

 《 STORY 》
水野忠邦による天保の改革(財政再建・風紀是正)で芸術が迫害される中、葛飾北斎は絵を描き続ける。
鑑賞日:2021年 7月 4日
映画館:TOHOシネマズ 日比谷シャンテ

葛飾北斎を追った作品。W主演で青年期を柳楽優弥が、老年期を田中泯が演じています。

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庶民に人気のある浮世絵をお上が取り締まっていた時代、稀代のプロデューサー蔦屋重三郎は動じることなく商売を続けます。絵を売ること、絵師を育てることに人生を賭けています。

柳楽優弥が演じる青年期の北斎に蔦屋重三郎が深く関わります。蔦屋重三郎は同じく才能を買っている喜多川歌麿や東洲斎写楽を北斎に会わせ、北斎の潜在能力を刺激し開眼させます。すでに一世を風靡していた喜多川歌麿や、時の人・東洲斎写楽との出会いは刺激的だったでしょう。

映画HOKUSAI何のために絵を描くのか、悩み苦しんだのち北斎は一人海の中に入って行きます。海と一体になったことで波に注目、のちの『神奈川沖浪裏』に繋がります。役者絵や美人画が主だった当時、北斎の波の描写は衝撃だったことでしょう。私は柳楽優弥を通して北斎が何かを掴んだ姿を目撃しました。

田中泯が演じる老年期の北斎は、台詞こそ「絵を描きたい」と言っていますが、その情熱が私にはあまり感じられませんでした。それは、北斎の絵に対する情熱よりも、お上に芸術を潰される不条理に重きを置いていたように見えたから。弟子を抱える心の動きなども一足飛び。(突如、弟子が現れる)怒りの方が強調され、絵に対し内から湧き出る情熱(執着?)が私には読み取れませんでした。(柳楽優弥が好演したナイーブでありながら情熱的な姿の方が印象的)ただ、藍の顔料を手に入れた時の喜びは芸術家らしくとても素敵でした。

映画HOKUSAI最後に柳楽優弥、田中泯が並んで『怒濤絵』を描きます。田中泯の中にいる柳楽優弥が現れ、男浪、女浪を描いていました。(柳楽優弥が筆に息を吹きかける姿を見てTVドラマ『アオイホノオ』の焔くんを思い出してしまいました)

『神奈川沖浪裏』は現在日本のパスポートの絵柄になっています。また、2024年から採用予定の新1,000円札にも使われます。日本の顔ですね。

2005年に東京国立博物館で『北斎展』を見ていますが、ゆる〜い見方しかできませんでした。墨田区にできた北斎美術館に行って勉強してこようかな。

右側二枚の画像は帰り道に見た銀座和光の地下鉄出入口脇のショーウィンドウ。北斎が細い筆で繊細に描いた波がドット絵で表現されていました。


SUKITA
刻まれたアーティストたちの一瞬

 《 STORY 》
写真家、鋤田正義の軌跡を追ったドキュメンタリー。
鑑賞日:2018年 5月29日
映画館:新宿武蔵野館

新宿武蔵野館SUKITA写真はどれも有名で幼い頃から見ていて記憶に残っているものばかり。それらたくさんのアーティストの写真を撮影した人が鋤田さんでした。私は本作を見るまで鋤田さんのお名前を知りませんでした。

鋤田氏は世界的に有名なフォトグラファーではありますが ”気のいいおじちゃん” といった風貌で、第一線で活躍するフォトグラファーに見られる ”豹” のような雰囲気はありません。穏やかでお優しい方なのでしょう。そのお人柄から氏を慕う人は多かったようで、その一人がデヴィッド・ボウイでした。

ボウイとは40年来の交流があったようで、マネキン人形の様な姿から素顔まで、どの時代のボウイも魅力的に捉えています。信頼の成せる技ですね。

商業ベースの写真はカッコよく、ボウイ×山本寛斎のジャンプスーツの写真はロックファンなら誰でも一度は見ているでしょう。(2017年に開催されたボウイの回顧展『DAVID BOWIE is』にも多数作品を提供しています)

YMOの『ソリッドステイトサヴァイヴァー』のレコードジャケットも氏の作品。三人がビニールのマスクをつけている写真も鋤田作品でした。

清志郎のメンフィスの写真は暖かくてとても好きな写真です。これも鋤田氏との仕事だと知りびっくり。清志郎のピュアな部分を鋤田氏が引き出してくれたのですね。

アーティストのピュアな、そして時にユニークな姿を捉える鋤田さん。それは鋤田さんのお人柄からアーティストが魅せる一瞬の素の姿なのだと思いました。

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ところで…、しばらく来ないうちに武蔵野館はシネコンになっていました。経営者が変わったのかな?


THE 有頂天ホテル

 《 STORY 》
ホテル アヴァンティの大晦日は金と欲に取り付かれた人、見栄を張る人、夢に破れた人々が溢れかえっていた。しかし、皆に等しく時間は流れ、新年を迎える。
鑑賞日:2006年 4月16日
映画館: ? 

有頂天ホテルパンフレット三谷幸喜の映画第3作目。

一人の人生や一つの出来事に焦点を当てているのではなく、ホテルにいるすべての人が主役です。

たくさんの登場人物それぞれに抱える人生があり、誰を観ていけばいいのかわかりません。主役は役所広司さんですがそれ以外の人の人生も非常に人間臭く描かれています。ハッピーな人ばかりではなく辛い時間を過ごしている人もいます。自己中心的な人にはやんわりお仕置きもあります。

誰にも同じように時間が流れ、誰もが希望を持てるのだと訴えているようです。人は必ずどこかで繋がっている、1人ではないのだと、あらゆる人々へエールを送るような作品です。三谷さんのお人柄なのでしょうか、ドタバタしていますが心温まる、優しい作品です。

ラストのYOUさんは『お熱いのがお好き』のモンローでしょうか?