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  美術鑑賞 2014年 ・ 平成26年
鑑賞日:2014年 1月 8日
会 場:日本橋高島屋6階美術画廊

創作人形展
たくさんの生花に囲まれた日本橋高島屋の画廊の一画。香しい花の香りの中にたくさんの人形たちがいました。

辻村さんの作品は会場奥中央のみ。まわりはたくさんの人形作家たちの個性的な人形が所狭しと並べられていました。

作家によって持っている顔がすべて違います。モデルが実在するような人間らしい顔。どこかの誰かのような顔。作家ごとに社会があって、その住民のようでした。

辻村寿三郎さんの人形には親しみやすさがなく、他の誰でもない、唯一の顔でした。高貴ささえ漂わせている顔。親しみやすさからは程遠いのに、惹かれてしまう。さすがの貫禄。とても魅力的です。

辻村さんの作品を初めて見たのは2001年『寿三郎と遊ぶ人形展』ジュサブロー館の常設展でした。この時も、寿三郎さんの人形は妖艶で美しいと思ったようです。

鑑賞日:2014年 5月 2日
会 場:森美術館

アンディ・ウォホール展アンディ・ウォホール展ウォーホルの大回顧展。展示物の充実さは完璧で、2年前からアジアを回り、今年日本でも開催されたようです。シルクスクリーンやドローイングの作品だけでなく、映像や個人的なコレクションなど多岐にわたる展示物で、仕事内容だけでなく人物像をも網羅したものでした。

展示された作品群を見て思ったことは、「ウォーホルも悩みながら作品を作り上げていったんだな」ってこと。お気楽でひょうひょうとしたイメージがあるけど、実際は違うんだなって思いました。

アンディ・ウォホール展ドローイング、シルクスクリーン、パーティーフォト。ウォーホルを語る時に必ず出てくる作品達の中、「あ、この作品展はちょっと違うな」と感じたのは、工房のファクトリーを再現したスペースがあったあたりから。

実験的に作った映像や音声の数々を実際に見たのは初めてでしたし、極めつけのウォーホルのプライベートなコレクションの展示がこれまでに見た事がなく、ウォーホルを理解する上でとても大きいものだと感じました。

ウォーホルは少しでも心に留まったものを段ボールに入れて保存していたようで、雑誌やレシートやほんとに細々したもののコレクションが膨大にありました。私はウォーホル日記を持っていますが、彼のこんな細かなコレクションの一環として生まれた日記だったということも、この時にわかりました。

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ウォーホル・カフェ

ウォホールカフェウォホールカフェウォホールカフェ

ウォーホル展開催中だけオープンしていた期間限定カフェ。

天井付近には大きなウォーホルのフラワーがかかってました。空に花が咲いていました。

私はホットドッグセットを注文しました。テーブル上のキャンベルスープは飾り物ですが、セットスープはキャンベルスープでした。ホットドッグにウォーホルの刻印がありちょっと愉快。ポテトが落第点でしたが、ボリューム満点で目にも楽しいランチでした。

鑑賞日:2014年 5月 2日
会 場:三菱一号館美術館

ザ・ビューティフルザ・ビューティフル知人に割引券をいただき、何の知識もないまま行ってきました。『ウォーホル展』を見たすぐ後だったので、趣きが違って落ち着いていました。

ザ・ビューティフル『ザ・ビューティフル』という展覧会名に美人画の作品展を想像していたのですがそうではなく、イギリスの唯美主義運動という芸術運動の展覧会でした。展示品に統一性があまり感じられず、無知な私には正直言ってよくわからない展覧会でした。

ザ・ビューティフルフライヤーと同じ図柄は半券ですが、チケットは半分もぎらずに、QRコードをピッとスキャンします。もう《半券》なんて言わなくなるのでしょうね。(『浮世絵から写真へ 視覚の文明開化』もそうだったかも)その隣は知人にもらった割引券。この割引券は券売所で没収されるのですが、入場券と絵柄が違うのでほしいと言ったところ、割引券の下部を切り落として返却してくれました。

この美術館は初めて入りました。明治時代に三菱銀行だった初代の建物は老朽化で取り壊し、昭和になってから同じ場所に当時の面影を残して再建築したそう。そのまま美術館として生まれ変わったとのことでした。東京都庭園美術館も旧朝香宮邸を美術館にしたものですが、優雅な庭園美術館に比べて、こちらは良くも悪くもオフィスでした。

鑑賞日:2014年 5月 4日
会 場:松屋銀座8階イベントスクエア

ムーミン展フライヤームーミン展半券
子供達が見たがったので予備知識も無く軽い気持ちで行ったのですが、会場に着くとすごい人出にびっくり! ムーミンのファンってこんなにいるのね! (失礼! 無知なもので…)最初から最後まで、そしてグッズ売り場まですごい人でした。(ま、でもよく考えたら、松屋銀座では確実にグッズ販売につながるものしか展覧会しないので、ここで取り上げられてるってことはファンが多いってことですよね)

右は半券。私と高校生の長女、中学生の次女で3種類、3色。

ムーミン展半券薄暗い会場内で展示されていたのはムーミンの原画。細いペンで描かれた繊細なムーミン。アニメでしか知らない私は、ムーミンはのんびりしたイメージだったのですがとても神経質で繊細なイメージを受けました。原作も、哲学的な印象を受けました。

会場の最後にジオラマがあり撮影自由だったので撮ってきましたが、大変な人で、人影を入れずに全体像を写せませんでした。また、グッズ売り場も大変な人で、会計の行列を見て買い物をやめようかと思ってしまいました。

ニョロニョロが種から生まれることをこの展覧会で知りました。そしてなんと! その『ニョロニョロの種』入りのジュース(!?)が売っていたのです! 『ニョロニョロの種』は大きなタピオカだったと記憶しています。

鑑賞日:2014年 5月13日
会 場:東京国立博物館

栄西と建仁寺知人から割引券をいただき行ってきました。『風神雷神図屏風』以外にはあまり興味がなく、よう西さいけんにんの漢字も読めなかった私です…。

小雨降る中、東京国立博物館へ行くと、ものすごい大行列! 「な、なんだこりゃ〜」と思ったら、隣で開催されていた『キトラ古墳壁画』でした。しかし! 本展もかなりの行列でした。入場まではかなりの行列でしたが、会場内は入り口からすぐのブースをぬけると、わりとゆっくり見ることができました。やはり国立の博物館ともなるとキャパが大きいって事なんですね。

栄西と建仁寺栄西と建仁寺やはり不勉強な私が見てもよくわからないものばかりでした。『風神雷神図』は本展の最後に展示されていました。ここは大変な人だかり。しかし、ここしか興味のない私はじっっくり見てきました。

第一印象、小さいなって思いました。絵はパワフルというよりはスピード感のある印象を受けました。真ん中が大きく開いて両端に別れている事から、不安定さを感じたのかもしれません。向かってる先が気になる構図です。

グッズはそんなにバラエティに富んでいるとはいえませんが、すべてのグッズが風神雷神で、なんだか楽しくなってしまいました。私は付箋紙を購入。風神雷神のふせんなんて、ユニークですよね。

鑑賞日:2014年 8月 8日
会 場:松屋銀座8階イベントスクエア

くまのプーさん展 子供が見たいというので行ってきました。『ディズニー展』や『ムーミン展』のような混雑を予想していたのですが、思いのほか空いていて拍子抜けしました。

エントランスにコッチフォード・ファームの外観の写真があったので、STONESファンの私は大興奮! 『くまのプーさん』の作者アレン・アレクサンダー・ミルンが住んでいたその家は、後にローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズも住んでいました。ブライアンが事故(事件?)で亡くなるその時まで住んでいた家でもあります。でも残念なことに、本展の図録はなく、場内撮影禁止でもあったので、その場で見たパネルを記憶に焼き付けただけで、お持ち帰りできませんでした。

作家や挿絵画家、和訳者の紹介やディズニーとの関わりなどが展示されていました。他には、アニメのセル画やコンセプトアート、他言語に訳された絵本など。ディズニーというフィルターを通してプーさんを多角度から見る展示内容でした。
 くまのプーさん展フライヤー くまのプーさん展フライヤー くまのプーさん展半券

グッズ売り場は、クラシックプーと呼ばれる原画のプーさんや、ディズニーアニメでおなじみのプーさんと、たくさんの可愛らしいプーさんが溢れていました。

鑑賞日:2014年 8月14日
会 場:国立新美術館

 バレエ・リュス展  バレエ・リュス展 バレエ・リュス展
子供が見たいと言うので行ってきました。ロシア人のセルゲイ・ディアギレフがパリで旗揚げをしたバレエ・リュスの衣装展です。僅か20年あまりの活動ですが、当時としては革命的に新しい見せ方をしていった伝説のバレエ団です。

バレエ・リュス展

きらびやかで美しい衣装が並んでいました。人物の威厳や性格を物語る衣装は、時に重厚に、時に活動的に、そして優雅に立っていました。観覧者を迎えるというよりは自分の魅力を見せつけるかのような衣装たち。時代を超えてなお人を魅了する力が宿っていました。劇団員はその衣装に袖を通すために、ライバルと戦い、切磋琢磨してきたのでしょうね。

本展はその衣装を取り扱った展覧会ですが、当時の映像やマリー・ローランサンの絵画も数点展示されていて、なんとも優雅な展覧会でした。

鑑賞日:2014年 9月30日
会 場:日本橋高島屋8階ホール

竹久夢二展竹久夢二展竹久夢二展
日本橋高島屋に買い物に行ったら、大きな夢二のポスターが! 早々に買い物を済ませて鑑賞してきました。本展は夢二を中心に、同じ時代を生きたロートレックの作品も紹介されていました。

掛軸や屏風などの大きな作品から、雑誌の挿絵やイラストの美人画、千代紙のデザインなどもありました。小さな作品を見ていると、やはり夢二は優れたグラフィックデザイナーだったのだと感じました。女の子が好きな女性の見せ方を熟知していたのだと思います。(ま、港屋を出すくらいだから、その辺りはお手の物ですよね)

あまり関連があるとは思えないロートレックも作品が展示されていました。

私は本郷の竹久夢二美術館しか知らなかったのですが、岡山に夢二郷土美術館、群馬に竹久夢二伊香保記念館があります。本展で2館のたくさんの所蔵品が見られました。

鑑賞日:2014年10月 3日
会 場:国立科学博物館

太古の哺乳類展2010年に同博物館で開催されていた『大哺乳類展 陸のなかまたち』『大哺乳類展 海のなかまたち』を鑑賞したので本展もその延長と思い見に行きました。

毎週金曜日は夜8時まで開館しているので5時すぎに行ってみました。初めての夜の博物館。ナイトミュージーアムチケットという割引きのチケットが販売されていたり、観客が少なくゆっくり見れたりと新しい発見でもありました。

さてさて、本展の話。予備知識のない状態で鑑賞したのですが、衝撃と発見の繰り返しで、大変楽しかったです。展示品は国内で発見された化石。日本にこんなに化石があるのかと驚きました。

環境により自らの体を適応させていく動物達。太古の大陸から切り離され、島国となる日本で、動物達は少しずつ小型化していきます。そんな島国日本にも大陸続きだった名残りでしょうか、太古の象の化石が多く発見されています。

太古の哺乳類展象の歯の生え変わりは衝撃でした。抜け落ちた後に下から生えてくるのではなく、新しい歯が奥から前へ水平移動し、古い歯は摩擦等によりなくなっていくのだそうです。歯が常に奥から前へ水平に動いているんです。確かに、象の歯はパイ生地のように折り重なった形をしていました。その他にも沢山の歯の化石が展示されていて、哺乳類の進化は歯の進化でもあったんだと感心しました。

右は、本展の図録を買った時におまけに付いていたマウスパッド。キャラクターはそれなりにかわいいのですが、『大哺乳類展 陸のなかまたち』でアランジアロンゾのデザインのキャラクターのかわいさにはかなわないですね。

鑑賞日:2014年12月13日
会 場:森アーツセンターギャラリー

開催前から楽しみにしていたティム・バートンの作品展。ローソンで販売の前売り券は入場時にオリジナルイラストのチケットに交換してくれるということだったので、早々に購入。しかも図録とセットのチケットを購入しました。

ティム・バートンの世界
オリジナルチケットは左の3種。子供達と一緒に行ったので、全種類入手できました。森美術館・森アーツセンターギャラリーで行われる展覧会のチケットはみんな同じ図柄で面白くないので、これは嬉しかったです。

前評判も高く大変な混雑と聞いていたので、人ごみを避け夜8時過ぎに行ってきました。それでもたくさんの人が観賞に訪れていました。でもあの程度の人出ならよくある人気の作品展と同じ。大きなストレスもなく鑑賞できました。

ティム・バートンの世界ティム・バートンの世界
入り口ではバルーンボーイ君がお出迎えしてくれました。左写真の通路を通って入場です。

会場内に入ってすぐは小さなスケッチブックに描いた絵や紙ナフキンに描いた落書きが並びます。その数が圧巻! ティム・バートンはいつも紙とペンを持ち歩き、絵を書き続けているんだなと、彼の生活スタイルを見たようでした。描かれているものは映画のキャラクターになったものや映画のワンシーンに出てくる風景など自由気ままに、けれどしっかりとしたビジョンの絵でした。これらの小さな作品こそがティム・バートンの心髄なのかもしれません。

ティム・バートンの世界ティム・バートンの世界
落書きコーナーから先へ進むと少し大きめの絵が並びます。ティム・バートンが生み出した個性的なキャラクター達がそれぞれの世界を持って描かれていました。

愛らしいキャラクターなのですがハッピーな子だけではありません。小さく力の無い者や、欲望のままに生きるキャラクターたちが、時に不気味に描かれています。ここがティム・バートンの奇才といわれる所以です。

ティム・バートンの世界会場内ではフィルムの上映やタブレットによる写真の公開などもありました。タブレットを使った展示は時代を反映した展示方法で面白いですね。小さい事が難点ですが費用も節約になるだろうし、今後こんな展示が増えていくかもしれませんね。

グッズ売り場も大変賑わっていました。チケットとセット販売の公式の図録は掲載されている作品数が72作品と非常に少なく、がっかり。(セットじゃなくてただの前売り券だけ買えばよかった)なので、9400円もし、さらに3キロもある画集を買ってしまいました。こちらは大満足の一品です!

たくさんの作品を1時間半かけて鑑賞しました。映像作品もゆっくり見ていたら2時間は必要かもしれません。奇才ティム・バートンは心優しい人でした。とても楽しい作品展でした。