鑑賞日:2019年 1月 3日 |
映画館:キネマ旬報シアター |
1979年公開の映画。人生に生きがいを見つけられない男が、自室でとんでもないものを作り、自分の力を世に誇示します。動機がよくわかりませんが、仕事に忠実な山下警部(菅原文太)を交渉役に指定したところを見ると、自分探しの一環だったのかもしれません。究極の愉快犯かもしれません。
ナイター中継を試合終了まで流すようにとの要求があっさり通ると、次にローリングストーンズの来日公演を要求します。街中にストーンズ来日公演のポスターが貼られます。壮観です。
ストーンズのポスターはサムガールズの時のものが使われています。これ、ストーンズファンにはちょっと嬉しい演出です。実際にストーンズは1973年、チケットの販売までされながら公演中止になり日本のストーンズファンを落胆させたことはあまりにも有名。本作公開時はストーンズの来日公演は絶望的なことの一つでもあったのでしょう。
40年前の作品なのでツッコミどころ満載ですが(日本橋東急デパートなど)、テンポのいい展開と美しいジュリーが見られ面白いです。
鑑賞日:2012年 4月30日 |
映画館: ー |
古代ローマ人が現代の日本にタイムスリップし、日本のお風呂の技術を古代ローマで生かしていくコメディ映画。ナンセンスな話なのですが、とてもユーモラスでエンターテイメント性の高い作品でした。
主役の阿部寛を筆頭に古代ローマ人役の日本人俳優が外国人の役なのに大きな違和感がありません。キャティングのセンスの良さを感じます。
鑑賞日:2014年 4月29日 |
映画館: ー |
古代ローマ人が現代の日本にタイムスリップする映画『テルマエロマエ』の続編。
古代ローマのシーンはCGではなく海外ロケのようで、映像がとても美しく、洋画を見ている感覚に陥ります。また、日本の温泉の風景は、切り取って絵はがきに出来そうなほどに幻想的な美しさでした。
誇り高い古代ローマ人を演じる阿部寛さんの顔芸(?)にますます拍車がかかります。その時代の文化の違いを見せつけられる屈辱を顔で表現します。ベタな表現ですが、この作品の数ある見せ場の1つでもあります。
鑑賞日:2024年 7月27日 |
映画館:新文芸坐 |
物静かな男が思い詰めたように身体を鍛え上げていきます。飴の容器から腕が抜けなくなるほどの太さに筋肉も増強されていきます。
工藤には海で居合わせた男(岸辺一徳)を殺してしまう常軌を逸した行動はあったものの私には殺し屋には見えなかったので、普通の男をテロリストに仕立て上げるような怖さを感じました。家族に贈り物を残したり女性を抱く行為など、決行の日までに気持ちを整えていく工藤に、特攻隊に向かう青年のイメージが重なりました。非常に怖い。
標的を目の前にした工藤の顔は何かが削ぎ落とされたような美しさがありました。沢田研二がそう見せたのでしょう。恐ろしいことです。(「太陽を盗んだ男」のようなチャラさはありません)最後のシーンは彼自身の選択。ときめいたのは一体誰だったのか。フランス映画のような余韻が残ります。
大倉のストレスの捌け口として激しいベッドシーンがありました。昨年見た『マルサの女』での濃厚なシーンもちらつき、こういったシーンが突然挟み込まれるから邦画はあまり見なかったのだと子供の頃の自分を急に思い出しました。日本映画の一部にはエロ要素が興行的に必要だった時代もあったのでしょうね。(因みに本作にも美しい宮本信子さんが出演されています)
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上映後に音楽を担当された塩村宰さん、映画プロデューサー三沢和子さん(森田氏の奥様)、宇多丸さんのトークショーがありました。
冷たい印象の音楽が若干記憶に残りましたが、宇多丸さんのようにマニアックにシーンごとの音を覚えていなかったので、ほとんどわからない話ばかりでした。
でもその中でちょっとした情報を得ました。塩村宰さんと三沢和子さんは早稲田大学1年生の時、同じジャズサークルに在籍していたそう。2年に船山元紀さん、3年に吉田健さんがいたとか! 吉田健さんってそんな歳だったっけ? とびっくりしてしまいました。いつまでもエキゾティックスから抜けられない私。
三沢さんは「沢田研二さんって歌手だったのよ」とか「みんな『イカ天』って知らないかな?」とおっしゃっていました。そっか〜。若い子は知らないのか〜。私も歳をとったんだな〜と、しみじみ思ってしまいました。