鑑賞日:2012年 7月21日、10月 6日 |
会 場:国立科学博物館 |
私は学生の頃、応用化学科を専攻していました。劣等生でしたが今でも化学は大好きです。自分の楽しみ&子供達にも化学の楽しさを知ってもらおうと思い、会期中は2度、足を運びました。会場内は写真撮影OKでしたのでたくさん撮ってきました。
エントランス、大きくカラフルな周期表が私たちを迎え入れてくれました。シンボリックなこの周期表は公式ガイドブックのほか、クイズの台紙やグッズなど、あちこちで見られました。(本展は子供向けの公式ガイドブックのみで図録がなく、図録代わり(?)に『世界で一番美しい元素図鑑』を販売していました。『世界で一番美しい元素図鑑』は本展開催前から持ってます。素敵な図鑑なんです。)
下の画像↓は90年前の周期表です。現在ニオブはNbですが、この当時はCbになってますね。
元素の誕生はビッグバンから。水素とヘリウム、ほんの少しのリチウムでした。この事実を知った時には、なるほど面白いなぁと感心したものでした。核融合がイメージしやすいですよね。宇宙で生まれた元素。なんだかロマンティックですね。本展では地球を構成する元素、海を作る元素、大気を作る元素などが紹介されていました。
食べ物に含まれる元素を身近な食品で紹介した大きなパネルもありました。
《血液に欠かせない元素》鉄・レバー、ほうれん草、…、
《子供の成長に欠かせない元素》亜鉛・アーモンド、牡蠣、…、
と言った具合でたくさんの元素が紹介されていました。
人間の体を構成する元素も紹介されていて、各元素ごとの重さが表示できる元素体重計がありました。人間の体は酸素、炭素、水素、窒素がメインでできています。(有機化学のスター元素!)体重計に乗ると、炭素〇〇kg、水素〇〇kgと元素ごとに体重が表示されます。我が子達も体重を計り、写真に撮ってきました。
本展のメイン! 原子番号順に元素を紹介し、単体やその元素を使った商品などを展示していました。これは圧巻でした。放射性元素以外はほぼすべて展示されていたと思います。
ヘリウムの前では数量限定で風船を配布していました。子供限定だったと思います。愉快ですね~。
原子番号順の元素の紹介のほか、テーマごとの元素紹介もしていました。
宝石(鉱物)を構成する元素紹介の周りは女性が多かったです。ダイヤモンドと黒鉛は同じ炭素からできているという事はあまねく知られていますが、宝石を鉱物として元素から紐解くことはあまりないと思います。面白い!
金属の密度を体験するコーナーは子供達がたくさんいました。同じ体積のインゴット(金・銀・銅・アルミ)を穴の空いた透明の箱に手を入れ、箱の中で持ち上げる体験ができます。当然のことながら、か弱い私は金を片手で持ち上げられませんでした。子供の頃にアニメで見た銀行強盗をする男達(のっぽの痩せ男とチビの太っちょ男の二人組と決まっていた)は軽々と運び出していましたね。力持ちなんですね。ちなみにインゴットには三菱マテリアルの刻印がありました。
叩いた時に音色が違う金属のコーナーでは、大人も子供も楽しんでいました。金属によって音色は違うし、同じ金属でも長さによって音は違います。美しい音色に遊びました。
色の発色のふしぎもカラフルに展示されていました。(2018年には目黒区美術館で開催された、色材を詳しく掘り下げた展覧会『色の博物誌』を見ました。)
私は電子雲が立体に表現されていた模型に感動してしまいました。同じような商品がショップでも売っていたのですが、「一つ買ったら全部集めたくなるから、これはアブナイ」と思い、買いませんでした。でも、s 軌道、p 軌道、d 軌道…、と目に訴える電子雲が忘れられません。
会場を出てグッズ売り場までの狭いスペース(第2会場)に好きな元素を投票するコーナーがありました。
我が家は7月21日の鑑賞時に投票してきました。私と長男はベリリウム、長女はフッ素、次女は水素にそれぞれ1票入れました。
左の写真は10月6日の鑑賞時に撮影。10月4日集計のものでした。1位はダントツで金! オリンピックイヤーでもあったので当然ですね。
1位 金
2位 酸素
3位 炭素
4位 水素
5位 ウンウントリウム
好きな理由も貼り出されていて面白かった! みなさん『金』への熱い思いを語っていましたよ! 5位のウンウントリウムは日本の理化学研究所で発見された元素で、いずれ日本にちなんだ名前が付くのではないかと言われています。本当に楽しみです! とにかくすべてが素晴らしい、面白い展覧会でした。期間限定ではなく、常設でこんな博物館があったらいいのにな。
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注:元素記号113番ウンウントリウム(これは仮の名称)は日本に命名権が与えられ、2016年(平成28年)11月にニホニウム(Nihonium)と言う名称に決定しました。当初の大方の予想の『ジャパニウム』ではなく『ニホニウム』にした理由を命名権を与えられた理研の森田浩介氏は「周期表の中に日本語(Nihon)を入れたかった」と語っていました。ちょっとかっこいいです。
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博物館のレストランでは1日30食限定で「元素のふしぎ」記念メニューがありました。せっかくなので記念に食べてきました。元素を意識することなく、空腹にまかせおいしくいただきました。
博物館地下のイートインスペースには元素のクッキーなるものも販売していました。四角いクッキーに『H』や『C』などの原子記号が抜かれたものでした。