鑑賞日:2023年11月27日 |
映画館:ユーロスペース |
鈴木清順監督の生誕100周年を記念して【浪漫三部作】『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』が4Kデジタル完全復刻版として上映されていました。
非常に人気の高い鈴木清順監督。私は本作品で初めて鈴木作品を見ましたが、非常に芸術的で、凡人の私には何が言いたいのかさっぱりわかりませんでした。
愛と死、現実と幻想が交差します。自分本位の夢二が女性に求めていたのは愛ではなく、性欲のはけ口、または被写体として自由にできるモデルだったように思います。しかし、本作では絵を描きたいという意欲が全く見えません。本作の竹久夢二は『HOKUSI』の柳楽優弥のような情熱的な絵描きではありませんでした。
画家の画業の部分が描かれていない本作品。描きたかったのは夢二の女たらしの腕前だったのでしょうか?
孤独で孤高の画家で尚且つ稀代の女たらしを沢田研二が好演します。沢田研二の美しさが黙っていても夢二の孤独と純粋さを映します。沢田研二は声が甘いなぁと再確認してしまいました。