12人の優しい日本人
《 STORY 》
狭い一室。被告人の女性が有罪か無罪か、12人の陪審員が激論を交わす。
狭い一室。被告人の女性が有罪か無罪か、12人の陪審員が激論を交わす。
鑑賞日:2025年 9月24日 |
映画館:新文芸坐 |
映画『12人の怒れる男』をオマージュした作品で、劇団 東京サンシャインボーイズの代表作。俳優の動きは最小限で、言葉で遊ぶ(魅せる)作品です。

本作の脚本は三谷幸喜と東京サンシャインボーイズのクレジットになっています。監督は中原俊さんで三谷氏が監督ではありません。
12人の陪審員は有罪または無罪の評決を下さなくてはならず、丁々発止、意見をぶつけ合います。
陪審員は法律家ではなく一般人なので、自分の見識だけで判断します。早く帰りたい気持ちも手伝い、反対意見の陪審員を必死に説得します。声高に有罪を主張する相島一之さんと、はったりで弁護士だと名乗る豊川悦司さんが非常にユニークでした。(本作に役名はなく陪審員1号、2号といった番号でした)
これまで私は裁判と無縁の生活をしているので、見方によってこんなにいろいろな解釈ができるのかと真面目に驚いてしまいました。(なるほど裁判には検察官と弁護人が必要なわけだ)事件の真相は本人にしか分からない、と言いたいところですが『羅生門』の例があるし(!)人が人を裁くのは本当に難しいことなんだなぁ。と、映画を見ながら思いました。
『ラヂオの時間』に代表される三谷幸喜さんの作品は人と人の会話の面白さが魅力です。最近公開された映画『三谷幸喜「おい、太宰」劇場版』よりも本作のような作品の方が私は好きです。